【コラム】失敗と成長

1月の長野県。
雪の上を、裸足になって歩き出す2歳の娘。

「寒いから辞めたら?」と言いたくなる
気持ちを抑えて、観察してみることにした。

楽しそうに飛び出した彼女も、
すぐに車に戻ってきた。
さすがに冷たかったらしい。

やってみなくちゃわからない。

大人も子どもも、
自分の身体を動かして経験しないと
真の学びに繋がらないと思っているのは、
私だけだろうか。

赤ちゃんを見ていると、よくわかる。

危険を回避してずっと寝かせたままだと、
座ったり立ったりしていかない。

転んだり、ぶつかったりしながら、
身体の使い方を学び、
次第に、ふにゃふにゃの身体が、
ドスンと意志を持ち始める。

動き出すと、
おっぱいだけでは栄養が足りなくなり、
離乳食を与える。

おもちゃを口に入れながら、
食べられるのか、美味しいのか、
形や匂いを口で確かめる。

「これは美味しいくないよ」と伝えたって、理解できない。

自分の身体で覚えるのだ。

彼らは成長しながら、
それと共に必要なモノを求めてくる。

親は見守りながら、
必要なものを適宜与える役割の人物であればいい。

きっと、大きくなってからも同じだろう。

関心を持って身体を動かし、
挑戦し、失敗という名の経験を繰り返しながら、
新たな学びを獲得していく。

経験の積み重ねによって、
脳みそだけ働かせた机上の正論よりも、
もっと深みのあるわかちあいができる人に育つのだ。

水を与えすぎると根腐れする。

栄養を与えすぎると、雑草が増える。

太陽の光をたっぷり与え
「今日も元気かい?」とニコニコ声をかけ続けると、
すくすく育つ。

可愛い子には旅させろ。
やりたいなら、やらせてみる。
失敗したら、一緒に笑えばいいじゃないか。

そんな懐深い母でありたい。

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