【コラム】フツウのOL

「あなたの夢はなんですか?」

小学生の私は
一番無難な答えを探し、

「フツウのOL」と半ば諦めたように答えていた。

結婚して
子育てをして
それなりに仕事して。
にっこり笑って生きていられれば良いなぁ。

そのくらいのゆるい夢だった。
冷めているというか、能天気というか。

野望やビジョンといった
ワクワクした気持ちをどこかに置き忘れた自分に、
小学生の私は冷めた気持ちを抱いていた。

「こんなつまんない子ども、どうかなぁ」って。

中学二年。
教師との面談で将来の仕事について聞かれた。
どんな仕事をしたいんだろう。
考え出したら、なんでも良いとは思えなかった。

「誰かのために自分を生かせる仕事をしたい」

漠然とではあるが、確かに浮かび上がった。

フツウのOLじゃなくて、
人の役に立っていたいと思えている自分が少し嬉しかった。

今でもこの軸が私の中心を走っている。

広い意味で
人やその人のまわりの人々の役に立てる仕事に燃えるタイプだ。

「できるかどうか」ではなく
「やりたいかやりたくないか」。
やりたいなら、どうしたらできるか考えれば良いんだよ。

私のまわりの経営者さんたちは
だいたいそんなことを言っている。

自分でできないことがあるなら、人にお願いすればいい。
やりたいなら、やってみればいい。

人や社会のお役に立つことが仕事となり
時代に必要とされていれば
継続していける。
誰かや、何かのせいで諦めるのはもったいない。

そうこうしているうちに、
私は作業療法士をし
ライターをし
インタビュアーをし
デザイナーをしていた。

一見バラバラの仕事。
繋がっていないように見えるが、
私の中では確かに繋がっている。

人生の先輩方から見たら
危なっかしい生き方をしているのかもしれない。
無駄な道も通っている。

けれども、少なくとも楽しんで仕事をしている自分は、大好きだ。

小学生の私が、仕方なく描いた夢「フツウのOL」とは全く異なる道にいる私。

あの頃の私が今の自分を見たら
なんて言うだろう。

「え。それって、楽しそうでいいじゃん!」
とワクワクする声が聞こえてくる気がする。

子どもが希望を抱く今の私。

きっと、未来の私はさらに未知の方向に進んでいるのだろう。
もしかして、フツウのOLになっていたりして。
それはそれで、面白そうだね。

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