健康第一。
そんなこと誰でも知っている。
しかしながら、
私たち現代人は健康をおろそかにしがちだ。
仕事、
子育て、
家事、
パートナーシップ、
趣味、
親戚付き合い、
地域生活……。
これだけたくさんの「すること」があるので、
頭の中に
健康を考えるゆとりが
少なくなる。
優先順位が下がる
とも言える。
仕方がない。
しかしながら
身体がボロボロだと
日常のパフォーマンスが下がる。
何をするにも、
かえって効率が悪い。
自分の身体を壊してから
気づくことも
多々あろう。
私は、
娘の体調不良に気を配りすぎて、
気づいたら
自分が入院していたことがある。
あの時は本当にびっくりした。
たかが三十歳の女性が、
肺炎で倒れたのだ。
肺炎は、
高齢者でなくてもかかるらしい。
医療従事者のくせに、知らなかった。
少し言い訳をさせてほしい。
その当時、
新米ママだった私は、
いわゆる完母と呼ばれる
「完全母乳育児」で娘を育てていた。
栄養価バツグン、
面倒な消毒や購買もいらない、
母親のダイエットになる
という一石三鳥以上のメリットだ。
取り入れない理由はない。
一方で、
デメリットがあった。
母親がいないと、
娘は栄養に辿り着かない。
娘の栄養は
私のおっぱいのみ。
責任重大だ。
おかげで、
ほぼいつも彼女と一緒にいた。
人に預けても2〜3時間。
寝るときは絶対に一緒。
子どもが産まれたら、
ちょっとした物音で目が覚める。
夜泣きと共に、
おっぱいを出す。
毎晩毎晩、何回も。
この生活習慣は、
母親なら当たり前なのかもしれない。
こうするしか選択肢がない、
と信じて疑わなかったが、
さすがに私も人間だ。
寝不足が重なり、
身体は悲鳴をあげていたらしい。
そして、
娘のちょっとした風邪が
私にうつり、
気づいたら
「今から入院してください」
と医者に言われていたのだ。
驚いた。
入院したおかげで、
県外からジジババたちが集まった。
一週間ほど面倒をみてもらった。
私がいなくても、
娘はなんとかなった。
本当に、助かった。
母乳育児はすばらしい。
しかし、
それが完璧な育児とは限らない。
大事にすべきは、
自分が健康に育てられる方法の選択だ。
昔の私に、
強くそう伝えてあげたい。