【コラム】自分を使う

「もっと、責任のある仕事をしたい!」

育休復帰をした私は
ジレンマがあった。

幼い娘との時間をつくるために、時短勤務を選んだ。

職場の仲間たちも
娘優先の働き方を尊重してくれたが、
いつ休むかわからない私に
任せてもらえる業務は代替可能なシゴト。

物足りなかった。

「本当はもっと、やりがいある仕事をしたいんだ‼︎」

内心煮えたぎっている思いと裏腹に
声に出せない自分がいた。

せっかく同僚は配慮してくれている。
わがままなんて言えない。

今思えば「もっと気楽に仕事してればいいじゃん」
と昔の私に声をかけられる。
お給料もそこそこもらえるし
そんなに焦らなくても大丈夫だよ。
あと数年もしたら
またバリバリ働けるよ。

でも、あの時は、うずうずしていた。

もっと自分を試したいし
もっと人の役に立っていたい。
そうやって自分の存在価値を保っていたかった。

しょうがない。性分だもの。

そして、検討した結果、副業で在宅ワークを始めたのだ。

仕事して、育児して、家事をして、余った時間は副業。
やればやっただけ結果が出て、
時間や場所を選ばずにできるパソコンの仕事にのめり込んだ。
数をこなすのも楽しかった。

しかし、それから数ヶ月。
ふと立ち止まった時、疑問が湧いた。

「これは私が目指す働き方なのだろうか?」

一生懸命すぎて気づかなかったが、忙しすぎた。
プライベートの時間が全くない。
頭の中は仕事のことばかり。

もう少し、心も時間もお金もゆとりのある生き方が、私の理想なのに。

そして気づけば、
目の前の人のためにじっくり向き合う
WEBやライティングの仕事にスライドさせていった。

お店のホームページを作ったり、
人の代わりに原稿を書いたり、
ビジョンの洗い出しを手伝ったり。

時間をやりくりしながら、
ホンダユミという名前で仕事を始めていた。
すごく楽しい。

目の前の人にじっくり向き合い、
ビジネスや人生に寄り添う。
向き合う過程と、光を掴んだその後の変化に、共に感動していく。

ささやかだけど、
確実に多くの人たちの豊かさに関わっている。

そんな今の仕事が好きだ。
この働き方、いいじゃないか。

フツウの会社員。
フツウの母。
田舎に住むフツウの女性。

仕事ってなんだろう。
私が求めていた責任のある仕事ってなんだろう。

たかが三十年そこそこしか生きていない
若輩者の女性が思う仕事とは、たかがしれている。

でも大事にしているのは
自分という道具を使って、人のしあわせに貢献すること。
自分はただの道具。
媒介にすぎない。

会社が示す働き方だけに縛られなくてもいい。
働きやすい環境を、自分から作りにいってもいい。

自分もハッピー
会社もハッピー
仲間もクライアントもハッピー‼︎

そんな仕事を、追求する。

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