社会人になって、旧友と飲みに行った。
学生時代から、
彼女は異質の人だった。
どこか凛として、
ふふふと笑う整った顔。
人見知りで何を考えているのかわからない。
のめり込むと、自分の世界に没頭している。
それも、全く繋がりがわからない
突拍子もない方向に進んでいく。
例えば、専門学部で研究に没頭していたと思えば、
就職は全く関係のない大手企業でバリバリ働いていた。
会いたい人には
県を超えて会いにいき、
静かだなぁと思えば急に隣で絵を描き出している。
今、彼女は何に没頭しているんだろう。
次は、彼女は何をするんだろう。
心に正直に、軽やかに
興味に向かって突き進む彼女が不思議で
興味そのものであった。
女子二人。
オシャレな飲み屋。
世間の評価をバリバリ気にする当時の私は、
彼女の話に釘付けだった。
彼女という人は、何でできているのか、
どんな人間なのか。
成分分解したくて仕方がなかった。
聞けば聞くほど、やはり不思議。
興味の幅の広さ。
全て楽しそうに没頭する集中力。
肯定感。
彼女が辿ってきた人生の道のりは、私からしたらバラバラで共通点がない。
でも、明らかに充実しているのだ。
なぜ?
ふと彼女が教えてくれた。
「全ては私という共通点で繋がっているんだよ」
そうか!
それで良いのか!
突拍子がない思考だと思っても、
共通点は「自分」だ!
目から鱗だった。
同じ一本の道を歩き続けなくてもいい!
今思えば、私の経歴もバラバラだ。
保育園や障害児支援のバイトをし
病院で作業療法士をし
世間を知りたくて結婚式場でサービスをして
オーストラリアの中華料理屋で働いて
ライターをして
ホームページ制作をして
テレビでMCをして
今、本を書いている。
何モノ屋なんだろう?
そう。
「ほんだゆみ」だ。
あの時の彼女の言葉を軸に、
私も、心がフィットするままに選択し続けていたら、
バラバラの経歴が出来上がった。
そして、とても充実している。
しあわせだ。
理由はわからないけど、なんだかやりたい。
そんな時、理由は後付けでも
良いのかもしれない。
だって、私の魂が
「やりたい」と言っているのだから、きっと意味がある。
「若いうちに〇〇やっておけばよかったなぁ」
と後悔する前に、
やりたいことに挑戦しよう。
いつかが来るとは限らない。
未来の私からしたら、今が一番若い。
ほら。あの人も言っているわ。
いつやるの?
「今でしょ!」