【コラム】キュン

「KinKi Kidsが好きなの!」

と、目を輝かせて語り出す
クラスメイトたちがうらやましかった。

アイドルが好き、
キャラクターが好き、
あの子が好き。

嬉しくて嬉しくてたまらないと
心弾ませて談話する友人たち。

何がそんなに楽しいんだろう?
どうしたらそんなに夢中になれるの?

冷めている私自身に、どこか違和感があった。

小さい頃からバスケ少女だった私は、
女の子らしさとは程遠い
子どもだった。

髪はショートカット、
服装はズボン、スニーカーを履き、
鞄はアディダス。

後ろ姿は男の子。

フリルのスカートや、
サンリオキャラクターを愛用する友人を
見ると歯痒くて、
羨ましさから嫉妬心を抱いていたように思う。

「私って、フツウの女子とは違うのかも」

とコンプレックスを感じ、
気づけば大人になっていた。

社会人になって、

「本田さんって、どんな時にキュンするの?」

仕事仲間に聞かれた。
戸惑った。

キュンってなんでしょうか?

当時、私には
キュンを感じるセンサーを持ち合わせておらず、答えられなかった。

「キュンっていいもんだよ」

と無邪気な笑顔で教えてくれるもんだから、
どうも気になって、
私もキュンできる人になりたいと思った。

日常に彩りが増すんじゃないかしら、
という淡い恋心のようなワクワクだ。

この気持ちが、キュンなのかもしれない!

それからキュンを探しの日々が始まった。

そもそも、キュンって何?
好きと何が違うの?
あなたにとってキュンって?
最近、どんな時にキュンした?

ワクワクしながら、知り合いにインタビューしまくる私。

そんな自分に、キュンである。

Share!
目次