カンタン時短で美味しいご飯を作ってあげたい。
仕事をする母であれば、
誰もが願う理想だ。
おかげで巷では
便利なレシピアプリが選び放題だし、
通販やミールキットも
種類が豊富。
ありがたい世の中だ。
しかし、現実はそんなに甘くない。
そもそも
美味しそうなモノを選ぶのが億劫。
ネット注文も手間がかかる。
家にある材料から料理を考えたり、
季節のレシピを探したり、
子どもが好きな味に工夫したり、
足りない材料を買い足したり……。
美味しいご飯にたどり着く道のりは果てしない。
さらに、
時間と労力をかけたにも関わらず
子どもが食べてくれないと、悲惨だ。
理性とは関係なく、
無性に感情が波たつ。
「あなたの口に合わないのは、理解します。
でもですね、
母としては、せっかく作ったのだから、
食べてほしいの」
子どもの前では口にしないが、
心の中ではフツフツ湧き起こる期待と欲求。
そして
「食べてくれないなら、作りたくない」
と捻くれる意地悪な私が登場する。
あぁ、私って大人気ないわ。
そこで私がたどり着いたのは
シンプル料理だ。
野菜は切って焼くだけ。
並べるだけ。
トマトと緑野菜があれば、完璧。
卵料理は目玉焼き。
半熟で仕上げることに、命をかける。
お肉は適当に漬けて焼く。
粗塩をかければ、まるでレストラン。
シンプルすぎて、レシピはない。
レパートリーも少ない。
それでいい。
それがいい。
時々、人から得意料理を問われると、言葉に詰まる。
なぜなら、
料理らしい料理ではないのだもの。
そして、絞り出した答えは、
「ズッキーニのオリーブオイル焼き」
切って、焼いて、塩を振る。
娘も喜ぶ逸品だ。
そして、
シンプル料理だからこそ、こだわりもある。
調味料だ。
昔ながらの方法で
丁寧に作られた調味料を使えば、
一気に料理のレベルが上がる。
どんな食材も、贅沢な一品に変わる。
気分はまるで
おしゃれなレストランのシェフ!
さらに、美味しい食材同士を合わせたら、最強だ。
私の腕には頼らない。
そして最後に、忘れてはならない調味料。
笑顔。
笑顔は、どんな料理もおいしく変える万能スパイスだ。
シンプルだって、
手を抜いたって、
砂糖と塩を間違えたって、
「美味しいね」と、
娘と笑って食べられれば、最高の食卓。
愛は勝つ。